大分春の花写真スポット!青の洞門のネモフィラと千財農園のフジ。中津からあげ「あげ処ぶんごや」とスムージーがおいしい別府のパン屋さん「cram」

本当は金曜日の予定だった車の修理屋さんからの電話で目覚めた。眠たい目をこすりながら手探りでスマホを探す。部品が届いたのいつでもOKですよとのこと。タイヤとバッテリーの交換を頼んでいたのだ。

少し悩んでからすぐに換えて欲しい旨を伝えた。ドライブに出掛けるなら事前に換えておいたほうが懸命だろう。

隣では僕と同じく彼女が瞼を腫らしている。いまの会話の内容と、10時頃家を出ることを伝えると、目を瞑ったままコクコクと頷いた。

 

修理には1時間くらいかかるとのことだった。どこかで時間を潰してきて下さいと代車を貸してくれたので、僕の提案でパン屋さんにいくことにした。僕らはパン屋さん巡りがわりと好きだ。

向かった先はnatural bakery cram/ナチュラルベーカリークラム。別府の国道10号線沿いにあるパン屋さんだ。隣がBOOKOFFなのでBOOKOFFを目印に向かうとわかりやすい。

カレーパンをひとつ買ったけど、僕らの目的はパンではなくスムージー。ここのスムージーは何度か飲んだことがあるのだけれど、すっきりしていてとても美味しい。

僕のおすすめは「はちみつ豆乳バナナ」。簡単に味を説明するならまぁバナナジュースなんだけど、シャーベット状の氷が入っていてシャリシャリしていたり、はちみつがほんのり甘くて絶妙に旨い。

 

カレーパンとはちみつ豆乳バナナをふたつ注文してから店を出た。

向かった先は、別府のフェリー乗り場付近にある上人ヶ浜公園。海沿いにある海浜公園だ。今日は天気も良くて潮風がとても心地よかった。頬をなで、髪をなびかせる。

二人でスムージー片手に散歩をした。駐車場には車も多くて、人も多かった。ランニングしているひとや釣り人、僕らと同じように散歩をしている人々もいれば、子供の集まりで円を作っているひとたちもいた。シロツメクサや蓮華の花がぽつぽつと咲いた脇の整備された歩道をゆっくりと歩いた。

釣り人の釣果を確認したくて岸壁に行きたかったけど柵を超えなければならず、残念ながら数日前にぎっくり腰をわずらっている彼女に柵を越えるのは厳しそうだった。もう若くはないけど、若くないことが嬉しかったりする。

 

代わりに河口にかかっている橋の上から泳いでいる魚を眺めた。ちょうど小さい魚と大きい魚が並んで泳いでいて、夫婦みたいだった。

公園の半分ほどを散歩して車に戻った。少しぶらぶらしていると車屋さんから電話が鳴ったので、車を取りにいく。前置きが長くなってしまったが、ここからが今日の本番だ。

ネモフィラを見にいこうと前々から決めていたが、コロナの影響でいける場所は少なかった。九重花公園や文化農業公園でも見れるらしいけど、ともに臨時休業。あとは県外だと福岡の海の中道海浜公園なんかで見れるらしいけど、県外への旅行は自粛なうえ、こちらも休業している。

どこへいこうか調べたうえ、中津の青の洞門ならいけそうだったので、この場所を選んだ。消去法で選ぶような形にはなってしまったけど、結果としてはとてもいい場所だった。最高といっても差し支えないのは、写真を見てもらえるとわかるだろう。

 

別府をスタートして宇佐市あたりまでは10号線をまっすぐ走った。このあたりからは道がわからないのでカーナビに頼る。青の洞門は中津市耶馬渓町に位置する。

途中、狭い県道も通らされ、カーナビに遊ばれては文句を垂れながらも、到着して清々しいネモフィラ畑を見ると気分は上々に晴れてゆく。

到着すると彼女は早速カメラを取り出してネモフィラ畑へと向かう。人が多い川下へは向かわず、川から離れた人が少ない道路側へ向かうところがカメラマンらしい。到着した時点ですでにアングルを考えているのだろう。僕だったら無意識に人が多いほうへ歩いていっちゃいそう。

まずはカメラをネモフィラの背に合わせて撮影してゆく。小さな花に寄り添って撮影している感じが僕は好きだ。今日は天気もよく風も気持ちいい。ほかにも写真を撮っている人がたくさんいた。きっといい写真が撮れてるんだろうなと想像する。

一通り撮影したあとに、二人でもネモフィラ畑を背景して記念撮影した。今日は三脚を持ってきていたので、自撮りではなくタイマーをセットした。僕がシャッターを押して撮影場所までダッシュする。きっとカール・ルイスより早かった。

そのあとに少し川沿いの道を歩いた。同じように歩いているカップルや家族、カメラマンがたくさんいた。厳密に言うと川を挟んで向こう側が青の洞門になっている。僕は行ったことがないのだけれど、彼女がいうには怖いところらしい。ちょっと調べてみると心霊スポット的な記事がたくさん出てきた。僕はまぁ全然、本当に全然怖くないんだけど、興味があるかたは調べてどうぞ。

青の洞門にはネモフィラソフトクリームや洞門バーガーなど、ご当地グルメもあるみたいだったけど、中津にきたら中津からあげでしょうと、僕らはからあげを食べると決めていたので、食事はせずに青の洞門を出発することにした。とても綺麗なネモフィラ畑だった。

出発して予定通り中津市のほうへ向かう。来たときに通った狭い県道は通らず、やっぱり普通の道でいけるんじゃないかよなんて思いながら、少し道に迷ったりもしたけど、目的のからあげ屋さんに到着した。

来たのはあげ処ぶんごやさん。スマホで調べた。中津では有名なからあげ屋さんらしい。

店内に入るとからあげのジューシーな香りがした。もも肉、むね肉、手羽先、ぶつ切りなど色々メニューがあったけど、僕らはもも肉と砂ずりと軟骨を注文した。店内に座って待てる場所があったので、そこで揚げ上がるのを待つ。

その間お客さん用の落書きノートを見つけたので落書きして遊んだ。絵心がないのは僕である。彼女はちょっとだけ上手かった。落書きしたノートのNoはvol.13。次に来るのはいつになるかわからないけど、次に来たときに思い出として残っていたら楽しいだろうと思う。

お肉を受け取って店を出た。揚げたてのからあげを車内でいただく。口に入れてひとくち噛むとジューシーな肉汁が広がる間違いない味だった。アツアツを食べるのもまた楽しい。少し注文しすぎちゃったけど、綺麗に全部たいらげた。食べ物を残すことは僕らはまずない。

「フジ」を撮りにいきたいと彼女が言ったので、満腹になったお腹を抱えながら車をさらに走らせる。向かった先は宇佐市にある千財農園。一度到着したんだけど、マスクがないと入園できないとのことだったので、一度引き返して近くのMr.MAXでマスクを購入した。売っていて本当によかったと思う。

千財農園のフジは駐車場から見るとなんかいまいちで、本当に綺麗なフジが見れるのかぁ?って疑っていたけど、園内に入るとその疑いはきれいさっぱりなくなった。フジは垂れ下がって咲く花だから、遠くからはあまり綺麗に見えないんだなって悟った。

彼女はネモフィラを撮影したときとは違い、今度は少し背伸びしてカメラを頭より高い位置に持ち上げて撮影してゆく。背中から少しシャツが出ているのは愛嬌だ。

フジには蜜があるのか、蜜蜂がたくさんいた。ときにはブーンという音に驚きながら、小走りになったりして園内の通路を進んでゆく。途中あたまを屈めないと進めないような場所もあって、背が高い人には辛いかもしれないけど、そのぶんフジが近くで見れて、フジの香りやフジ畑そのものを堪能できる。

少しピンク色のフジがあったり、咲き方が違ったりして、少し種類が違うのかなぁなんて言いながら、カメラのシャッターを切った。

 

ちなみに千財農園の入園料は無料だ。無料でこのフジを堪能できるのだから素晴らしい。他には茶畑もあって売店では新茶を販売していた。バラ園もあるのだけれど、こちらは時期ではないのかポツポツとしか咲いていなかった。

あとで調べてみるとバラ園は「5月中旬頃~7月上旬、10月上旬~11月下旬」と書いてあった。バラもまた綺麗だろうから秋頃にまた見にきたい。

花なんて若い頃はまったく興味なかったのに、いまでは花を見に行きたいなんて思うから不思議だ。

そうなってしまったのは年のせいなのか、それとも彼女のせいなのか。

次の撮影会はホタルの予定だ。そのまま撮影したホタルもきっと綺麗なんだろうけど、ちょっと編集して合成してホタルの写真を作ったちゃおうかなぁなんて考えながら、朝きた道を別府方面に向けて走らせてゆく。

撮影写真集